MIU感想part2

引き続き感想を。

MIU404の面白さはキャラクターの個性豊かさによってより一層深みを増しているように思える。

 

おっしゃる通り、九重の刑事成長物語といっても過言ではない。

最終話を経て、1話を見るたびに、九ちゃんこんなに可愛げがなかったか? と思うくらいには無愛想で生意気な所がある。

まあそんな姿も最早愛おしいのだが。

そもそもMIU404ができるスイッチを押したのは九重だ。

九重父が機捜に九重を入れなければ、そもそもペアは陣馬と志摩の401コンビで成り立つ。

404はnot found となり、伊吹が機捜に入るきっかけは恐らく永遠に来なかったであろう。

にしても九重の九州弁、可愛いよな。

九重を演じた岡田健史(現名:水上恒司)が九州出身のため、ほんまもんの方言が聞ける。

方言といえば一つ気になる点。

大阪出身の菅田将暉も関西弁を話していたが本人談によると、素性を明かさないようにするために、エセ関西弁を話していたらしい。私は関西出身ではないためどこがエセか分かりきっていないが、関西の人はもしかすると時折違和感を覚えたかも知れない。

 

そして九重陣馬ペア。こちらも良き相棒である。

個人的に好きなシーンは7話序盤辺り。

九重がゴルフ中陣馬からスーツ写真のメッセージが届いた際、豆治に「彼女からですか」と問われるシーンである。

相棒に服を選んであげて、と話す九重の表情は穏やかで、飲み会にすら最初頑なに来なかった九重がプライベートで相棒の服選ぶくらいには仲を縮めたのだと思うとほっこりする。

九重の相棒が陣馬で良かった。

恐らく志摩か伊吹が相棒の場合、ここまで相性は良くなかったのではないかと思うからだ。

 

桔梗さんは本当に格好いい。

野木さんが作るキャラクターはアンナチュラルの三澄といい、仕事仲間として尊敬できる人物像を描くのが上手すぎるなと感じる。

桔梗さんは優しくて強くて、警察としての芯を持ってて、酔っ払うと可愛くて、はむちゃんとの関係性も最高で、とにかく愛らしい方である。

(因みに桔梗を演じた麻生さんはとってもほわほわした方でめっちゃ可愛い。

星野源さんファンとの事で共演時かなり照れてたらしく桔梗とのギャップを感じ、相まって可愛い。)

 

そしてそして。

一番の驚きはこちらのMIU404といい最高傑作ドラマが毎週!無料で!放映されていたという事実だ。

シンプルに恐ろしい。

恐ろしかったので、私は公式グッズを買い、円盤を買い、シナリオブックとメモリアルバッグを購入した。いや、見たかったので(欲しかったので)買ったに過ぎないのだが。

 

 

(ディレクターズ・カット版の感想、全力でお待ちしております。((追記:私が所持してる円盤はディレクターズ・カット版に加え、スタッフキャストの副音声実況等特典が入っているので、興味があればお貸しします。お声がけくださいませ。))

 

同意。久住は私もかなり好ましく思っている。

身近には絶対にいて欲しくないタイプだが、人間観察的対象においては、かなり興味のある人材だ。

 

前回の感想で野木さんはキャラ設定を細かく設定づけていると少し書かせてもらったが、久住に置いても例外ではない。

久住の過去についての内容を、菅田将暉氏は知っているようだが、勿論公表はされていない。

気にならないといえば嘘になるが、知らなくてもいいかな、と思うくらいには久住は得体の知れなさが魅力でとびっきり不気味なのが面白いのだ。

 

主題歌の素晴らしく自然な導入が、物語の質をより高めている。こちらもまた、当ドラマの強みである。

 

私が個人的に主題歌とドラマの絡みで一番好きな回は4話「ミリオンダラー・ガール」だ。

終盤まで絶望の中死んだと思われていた青池が、最後希望を持って現世の物語を終えたというのが、何度見てもグッとくるのだ。青池らを乗せたバスが高速を下りていく(降下していく)のに対し、青池が託した大切なものを乗せたバスが高速を昇り、飛行機で上昇していくという演出が、エモい。エモいという言葉で片付けたくないのがエモすぎるのだ。この演出だけで神なのに、そこに神主題歌をぶつけられるのだから最強なのだ。

 

(因みに一話は女の子が水溜りを踏むのに合わせ「たった一瞬のこのきらめきを」をの歌詞を掛けているらしい。エモイデスネ。)